パンフレットの印象を左右する要素として、デザインや内容だけでなく、使用される紙質も非常に重要です。
手に取った時の質感や見た目の光沢、そしてインクの発色まで、紙一つでパンフレットが持つメッセージやブランドイメージは大きく変わります。
どのような紙を選ぶべきか、その選択が仕上がりにどう影響するのか、基本的な知識から具体的な選び方までを解説します。
パンフレットの紙質はどう選ぶ

コート紙とマット紙の特徴
コート紙は、表面にコート剤(顔料)を均一に塗布し、滑らかなツヤを持たせた用紙です。
印刷特性に優れており、写真や彩度の高いカラー印刷を鮮やかに再現できるのが特徴です。
誌面に華やかさを演出し、一般的な商業印刷にも広く用いられます。
一方で表面がコーティングされているため、ペンなどでの筆記性は低い傾向があります。
マット紙は、コート紙よりも光沢を抑えた、画用紙のような落ち着いた質感が特徴です。
コート紙ほどの派手さはありませんが、色の再現性は高く、インクの沈みが少ないため写真を上品に表現できます。
光の反射が少ない分、手に持った際のテカリを抑えられ、信頼感のあるパンフレットに仕上がります。
筆記性もコート紙より高く、ペンでの書き込みにも適しています。
上質紙と特殊紙の特性
上質紙は、コピー用紙やノートに似た、表面にコーティングがされていない用紙です。
光の反射が少なく文字が読みやすいため、書籍などのテキストを主体とした印刷物に多く利用されます。
質感はマット紙と似ていますが、コーティングがない分だけインクがにじみやすく、写真印刷では色味がややくすんで見えることがあります。
厚みの種類が豊富で、用途に合わせて柔軟に選べるのがメリットです。
特殊紙は、紙自体に着色や模様、凹凸などの特殊な加工が施されている用紙です。
独特の質感や風合いを持ち、他社との差別化や特別な高級感を演出するのに役立ちます。
デザインの個性を際立たせたい場合に有効ですが、一般的な用紙に比べるとコストは高くなる傾向があります。
厚みで変わる印象
パンフレットの厚みは、一般的に「kg」という単位で表されます。
これは四六判(788mm×1,091mm)というサイズの紙を1,000枚重ねた時の重さを示したもので、数値が大きいほど紙は厚くなります。
薄めの紙(55〜90kg程度)は、軽くて折りやすく、チラシや折込広告、冊子の本文などに適しています。
標準的な厚み(90〜135kg程度)は、パンフレットやカタログ、会社案内など、幅広い制作物にマッチし、手に取った際にしっかりとした安心感を与えます。
厚みのある紙(135kg以上)は重厚感があり、カタログの表紙や名刺、ハガキなど、耐久性と高級感を重視する印刷物におすすめです。
紙の厚みは、手に持った時の感触や耐久性だけでなく、パンフレット全体のグレード感に大きく影響します。
印刷用紙の基礎知識

用紙の名称と厚みの目安
印刷用紙の名称は、紙の種類と厚みの組み合わせで示されます。
例えば「コート90kg」という場合、「コート」が紙質の種類、「90kg」が厚みの目安を表します。
一般的に紙の厚みが増すほど料金も高くなる傾向がありますが、特殊加工紙の場合は厚みに関わらず価格が上がることもあります。
厚みの目安としては、55〜70kgは軽量で大量配布に向きますが、裏面が透けやすい場合があります。
70〜90kgは少し薄手で、ページ数の多い冊子の本文などに適しています。
90〜135kgは最も汎用性が高く、パンフレットやカタログに最適で、適度なコシがあり高品質な印象を与えます。
135kg以上は重厚感が増し、高級感を狙う際の表紙やカード類に用いられます。
印刷適性と発色の違い
紙質によって、インクの発色や仕上がりは大きく異なります。
コート紙は光沢があるためインクが染み込みすぎず、鮮やかな色彩や細部までくっきりと表現できます。
写真やデザインの美しさを最大限に伝えたい場合に最適です。
マット紙は、光沢を抑えたしっとりとした発色になります。
コート紙ほどビビッドではありませんが、インクが適度に留まるため、自然で上品な仕上がりになります。
一方、上質紙はコーティングがないためインクの染み込みが良く、文字は非常に読みやすい反面、写真印刷では色が沈んで見えたり、インクの乾燥に時間がかかったりする場合があります。
紙質で決まるパンフレットの仕上がり

光沢と質感で比較する
パンフレットの完成度は、紙の光沢や質感で決まると言っても過言ではありません。
コート紙のような光沢紙は、表面のツヤが写真を際立たせ、見る人に華やかな印象を与えます。
マット紙は、光沢を抑えることで落ち着いた上品な質感を生み出します。
手に取った時のテカリが少なく、滑らかな手触りが特徴です。
上質紙は、加工されていない自然な風合いを持ち、ナチュラルで親しみやすい印象を与えます。
特殊紙は、紙そのものに凹凸や独特の色合いがあるため、手に取った瞬間に他とは違うこだわりを伝えることができます。
用途別のおすすめ紙質
パンフレットの用途によって、最適な紙質を使い分けましょう。
例えば、商談中に直接手渡しする資料では、メモが取りやすく落ち着いた印象のマット紙が適しています。
展示会などで目を引きたい場合は、発色の良いコート紙が効果的です。
店舗に設置するタイプであれば、お店の雰囲気に合わせてマット紙や上質紙を選ぶと統一感が出ます。
高級ブランドの紹介や、観光ガイドのように写真の美しさが重要な場合は、コート紙や特殊紙がおすすめです。
会社案内では、企業のブランドイメージや、相手に与えたい信頼感の度合いに応じて選ぶのが定石です。
教材や研修資料など、後から書き込むことが想定される場合は、筆記性に優れた上質紙が最も適しています。
まとめ

パンフレットの紙質選びは、デザインと同様に、受け手に与える印象を決定づける重要な要素です。
コート紙の鮮やかな発色、マット紙の落ち着いた質感、上質紙のナチュラルな風合い、そして特殊紙の個性的な表現力など、それぞれの特性を理解することが大切です。
「印刷の鉄人」では、豊富な用紙バリエーションと確かな印刷技術で、お客様のイメージを形にするお手伝いをしています。
厚みや用途に応じて最適な紙を選択し、メッセージをより効果的に伝えるパンフレットを作り上げましょう。